第40怪『月見ル君想フ』
- 2023.04.21
- 未分類
- AND I, Magical Lizzy Band, TEARDROPS, THE FOOLS, ウィスキーズ, カノン, ジョージ, すばらしか, ねたのよい, よもヤバ話, 伊藤耕, 山口冨士夫, 藻の月, 青木真一, 高円寺, 高円寺バンド, 鮎川誠

春が来た。
日差しが柔らかくなり、
風がサワサワと音を立てている。
あっという間に芽吹いた緑は、
日常の景色を一変させ、
固まった心をほぐすように
人生の続きを示唆している。
庭を見ていると
順番に花の蜜を集めに来る虫たちが映る。
それは実に規則的で、
まずは小さな羽虫や蜜蜂が飛び回り、
やがてクマバチやスズメバチのような
大御所の御登場となるまで、
毎日、決まった時間に決まった花に集うのだ。
思わず自分もそうでありたいと思うのだが、
なかなかそうはいかない。
まずは起きたい時に起きたいし、
寝たい時に落ちるように
意識を無くしたいからである。
そう思いながらずぅっと生きてきた気がする。
窓の外を眺めると、
早くも黒アゲハが優雅に舞っている。
鳥のさえずる声が聞こえ、
その向こうに輝くような青空が映るのだ。
……………………………
そういえば、
先週の土曜日はジョージとしこたま呑んだ。
ただ呑んだわけではない。
ジョージのこれまでのヒストリーを色々と聞いたのだ。
内容は某出版社の『note』に連載しようと思っている。
お互いに、この期に及んで、
改めて向き合ったから、
たった2〜3時間だったはずだが
気がついたらベロンベロンなのであった。
“こりゃあ、あと数回は呑まなきゃならないな”
って思う。
いや、数十回か、もしかすると、
何年も呑まなきゃならないのかも知れない。
(なんちゃってね、ただ呑みたいだけなのかも!?)
面白かったのは、
はるか昔にジョージが青ちゃんと組んだ『ウィスキーズ』が
ジョージにとっても、青ちゃんにとっても、
初のギターヴォーカルのデビューだったってこと。
シャイなカッコづけの2人が
メインに立った最初のシーンだったのだ。
『フラフラ』をRec.するときの青ちゃんが、
コッ恥ずかしかったのか、
やにわにサングラスをかけて演り始めたので、
みんなして微笑んだというエピソードが
目に浮かぶようであった。
「『ウィスキーズ』の練習はさ、『フールズ』の持っていたスタジオでやったんだよ。『フールズ』がスタジオを持っているなんて知らなかったからさ、びっくりしたんだ」
なんてジョージが言うから、
“変だな?”と思って詳しく聞いてみたら、
それはやっぱり冨士夫のために
借りていた高円寺のスタジオなのであった。
そんなこんなのエピソードが多々あり、
お互いに「そうだったんだ」ってことが
改めてわかって面白い。
その『ウィスキーズ』だが、
LIVE音源も天から舞い降りて来たので、
近日中に公開したいと思っている。
……………………………
高円寺の『4丁目カフェ』を出て、
改札口でジョージと別れた。
電車に乗ったのは覚えているが、
気がついたら石神井川のほとりを
千鳥足で歩いている自分がいた。
あいだにバスか何かが挟まるはずだが、
その記憶もない。
まだ夜の9時かそこらだったが、
川のはるか向こうの空に
ポッカリと黄色い月が浮かんで見えた。
もう30年以上も前になるだろうか、
ふと、同じような春の夜道を
子どもたちと一緒に
歩いていた時のことを思い出した。
その夜は満月で、
「ほら、月にウサギが映っているよ」
と、ゆらりと輝く月を指差して
小6になる娘が言った。
「ホントだ、マキちゃんの言うとおりだね!」
小学校に入ったばかりの長男が、
はしゃぐように言葉を紡ぐ。
どれどれと眺めて見ると、
ほんとうに月の中で餅つきをする
ウサギのシルエットが見てとれた。
寒々とした冬がやっと終わり、
少し生暖かい風が頬を撫でる夜だった。
母親であるマキがDROP OUTした春は、
子供たちにとっても
心が揺れる春だったに違いない。
人生は思いがけないことの連続である。
そんなことを思うのは、
少し歳を重ねたからかも知れないが、
思い出はいつでも月の輝きのごとくである。
“月見ル君想フ”
さて、月に浮かぶ君は、
今夜は何処で遊んでいるのだろう……。
(2023/04/21)
5/2 Thu 青山『月見ル君想フ』
“MOONTRIP”
-LIVE-
藻の月″George’s Birthday”
すばらしか
ねたのよい
and I
-DJ-
RadioJakarta
H.E.W.$
連休前日の月見る夜
¥2500+1d
18:00open 19:00start
ゆるりとお越しくださいませ
-
前の記事
第39怪『チコヒゲ🥸と呑む@2023』 2023.02.24
-
次の記事
第41怪『ジョージのバースデー』 2023.05.01