第62怪『初夏の空模様』

第62怪『初夏の空模様』

暑くなってきた。
と思ったら雨が降り、景色を濡らす。
春が過ぎて、梅雨と夏の狭間で
少しばかり落ち着かない気分になる。

やる気があるのか、
だらだらと過ごしたいのか、
はっきりとしない気持ちのまま、
くすんだ色をした空模様を見上げる。

『藻の月』が夏休みに入ってからもうすぐ1年が経つ。

花音は別のシーンで活躍している。
レンもレギュラーのバンドがあるようだ。
色々と試行錯誤しながらやっているのだろう。
安井は常にマイペース。
18歳の頃から何も変わらない。
なんの心配もいらないと思っている。

ジョージは見上げた空の雲に乗っている。

晴れたと思ったらまたすぐに変わりゆく、
今の季節を流れる雲から顔を覗かせているのだ。

妙に心配したりするとせせら笑うのだろう。
だからといって、うっかり忘れていると、
どこかのガキみたいなスタンプメールが
飛んでくることがある。

それが僕らの挨拶でもある。
別にお互いをせめ合うこともない。
「今、何やってんの?」ってことなのだ。
それは、「調子はどう?」という意味でもある。

太陽を60周したあたりから
自身の体調管理は仕事みたいなものだ。
はてしない快楽を求めて無茶苦茶だった時間は、
ちゃんと心の奥に仕舞ってあるのだから。

さて、そんなジョージとレンに久しぶりに会う。

場所は1年前の『藻の月』で別れた『国立/地球屋』。

バンド自体の夏休みは2周目に入りそうだが、
『ジョージ&レン』のステージは2回目を迎える。
今回はそこに旧友『高八』がベースで加わるそうだ。

対バンの『ひぐらし』には、
中村キヨシがいて、タバタミツルがいて、
タケナカクニオがいて、
冨士夫が可愛がっていたワタライがいる。

なんのことはない、
今回のライブは彼らが誘ってくれたのだ。

見知った顔を突き合わせながら
楽しく愉快な宴になればいいと思う。

蝉が鳴き出すのはもう少し先になるのだろう。

炎天下に出る前のひと時に
傘でも回しながら国立駅からの大学通りを歩く。

僕は今、その風景を楽しみにしている。

それでは、11日、木曜の夜、
ひぐらしと共に、降るような音の中で‥‥。

(2026/06/08)

6/11 thu 国立地球屋

ひぐらし
ジョージ&レン

DJ/旧友人・MMZK

Open/Start 19:30
Charge/2000yen +1d