第21怪『桜吹雪』

桜が咲いた。 青空にゆらりと揺れている。 と思ったら、 あっという間に散ってしまうのだ。 ″さようなら、よい春をお迎えください″ とでも言うように、 春の嵐のような風が吹き、 時には意地悪な雨に打たれ、 つかの間の浮かれ心は終わるのである。 子供の頃は桜の開花に さしたる意識もなかった。 至る所にあ […]

第20怪『サブスク』

2年も前の話になる。 藻の月のレコーディングのとき、 その時点で急遽参加することになったレンに、 「サブスクはどうするんですか?」 と訊かれて、 「やるよ」 と反射神経で答えたのだが、 ″サブスクってなんだっけ?″ と思った。 その時点で、脳内に記憶している 単語ではなかったのである。 (笑ってくだ […]

第19怪『マンホールのクヤ』

クヤと呑むのは楽しい。 弱いくせに飲みたがるからだ。 乾杯をして小1時間もすると調子が良くなる。 「酔っ払ってるんだろ?」 「まだっスよ!そんなことあるはずないじゃないですか!」 そう言いながら小突いてくる。 明らかに酔っているのだ。 ソーシャルディスタンスも へったくれもあったもんじゃない。 でか […]

第18怪『花はどこへ行った』

ついに3月になった。 だんだんと暖かくなってくる。 枯れ木にも春芽が出ているのがわかる。 小さく縮こまった想いが、 大きく伸びをする季節なのだろう。 だけど、いつもなら ウキウキする季節の変わり目が、 なんだかモヤモヤとしている。 世界中が酷い仕打ちにあって、 やっとのことで支えあっているこの時間に […]

第17怪『その後のオイラ・オミクロン』

朝早くから電話が鳴った。  「…あんだよ!」 なんてぼやいたかどうかは覚えてないが、 ファックス兼用の受話器をとる。 「kasuyaさんですか?」 「はい」 「アナタのクリニックです。結果から言うと陽性です。熱はありますか?」 「……あっ、ないです」  「どんな様子ですか」 まだ夢の続きをみているよ […]

第16怪『その後のノンちゃん・幸せのはじまり』

正月過ぎからずっと MAKIの部屋に通っている。 MAKIが可愛がっていた 猫のノンちゃんに御飯をあげるためである。 誰も居なくなった部屋に残された MAKIのノンちゃんは、 傷ついて不安そうであった。 だから、おいそれと コチラには近寄っては来ない。 リラックスできないのか、 警戒心いっぱいで様子 […]

第15怪 番外編/山口冨士夫とよもヤバ話『MAKIの思い出』

最近、よく冨士夫の夢をみる。 相変わらずマネージャーとして いろいろな問題に直面しているのだ。 先日などはセブンイレブンから 生配信する予定があり、 やけに暗い店内のカウンターの 奥にいる店長らしき老人に、 「今からここで生LIVE配信をしてもよろしいですか?」 と訊いていた。 セブンイレブンのカウ […]

第14怪『S盤アワー/クリスマス・イブの夜に』

S盤アワーは日本文化放送協会 (文化放送/ラジオ)が、 1952年(昭和27年)4月の開局当時から 1969年(昭和43年)11月までの17年間に渡り 深夜に放送された長寿音楽番組である。 S盤とは、日本ビクターレコード 洋楽S盤レーベルの略称で、 当時発売された洋楽の新譜を 帆足まり子さん(ほあし […]

第13怪『Cold Moon “青ちゃんの命日”』

12月18日は青ちゃんの命日。 と、同時にキースの誕生日でもある。 別に狙ったわけじゃないだろうが、 偲びながら祝う特別な日なのだ。   どちらにしても、 とりあえずは呑もうと思い、 新宿のゴールデン街に向かった。 青ちゃんの相方であるMIHOが、 青ちゃんを偲ぶために 一日だけ店を貸し切るというの […]

第12怪『ジョンの魂』

久しぶりに軽井沢に行って来た。 何十年振りかである。 初めては高校生のとき、 学校帰りにそのまま貸別荘に行ったのだった。 首謀者は誰だったのか覚えていないが、 18歳になり免許を取ったばかりの輩が 学校まで車を乗り付けていて、 3台に分乗して向かったのであった。 確か10人くらいは居たと思う。 高専 […]

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