TAMBLINGS

1/2ページ

第60怪『青ちゃんの誕生日/ストリートキングダムに寄せて』

この話は前回の続きになる。 僕は北鎌倉の家が気に入っていた。 環境はいいし、 何より心が穏やかになる気がするのだ。 “このまま此処に居着いて、 うっかり10年経ってしまいました” なんてことになるかも知れないな。 とか思っているところへ 母親から電話がかかってきた。 「定期検診でお父さんの病気が見つ […]

第58怪『霜月』

約45億年もの前の話……。 まだ若かった地球に 火星くらいの大きさの天体、 “テイア”と呼ばれる惑星がぶつかった。 その瞬間、地球と“テイア”の一部が 溶けた岩石として宇宙空間に飛び散り、 やがて、その破片が集まって 大きなひとつの“塊り”になる。 その生まれたばかりの“塊り”は、 地球からわずか2 […]

第57怪『ジグソーピース』

すっかりと秋めいてきた。 いや、ひとっ飛びに12月の気温なのだという。 夏が好きなので寂しい気もするが、 今年の暑さはちょっと度が過ぎていた気がする。 そこに身内の不幸と 僕自身のコロナや骨折が重なり、 いびつな団子になって転がって来たので、 それらにぶつかりながら過ごしていたら、 あっという間に夏 […]

第56怪『冨士夫の13回忌‥。そして、骨折後日談』

地元の整形外科に行った。 宮崎の医師からもらった CDRと診断書を持参してである。 「手術好きの先生なら(手術を)やるかもしれないから、嫌ならしっかりとした意思表示をしてください」 そう言いながら 宮崎の髭ズラ医師はニヤッと笑った。 それを思いだすと 真夏の景色がグニャっとゆがむ。 それにしても暑す […]

第55怪 『南国骨折』

伯母が他界した。 通称、アッコさんである。 訃報を受け、 急いで羽田から宮崎へと飛んだ。 ある程度の覚悟はしていたが、 現実はいつも突然すぎると思う。 宮崎駅の改札口で懐かしい顔に会う。 ウチの奥さんだった。 実は彼女はこの3年間、 東京と宮崎を往復していたのだ。 そして、ついに今年の春からは、 通 […]

第54怪 『国立・地球屋“藻の月”/大西基・写真展での“どんと” “プライベーツ”』

先週の土曜はなんだか不思議な夜だった。 国立・地球屋での藻の月のLIVEだったのだが、 地に足が着いていないような 妙にうわずった夜だったのだ。 これは単に個人的な感覚なのだが、 夏のはじめはいつもそうなる気がする。 梅雨と夏の狭間に吹く風で 一瞬、心が浮いたようになる。 5時になっても昼のように […]

第53怪『アナログ天国とトンネル天国』

西荻のアナログ天国に行って来た。 駅から少し歩くが散歩だと思えばよい。 店はなかなかに落ち着く雰囲気があった。 これは主観だが、 下北沢のときよりも居心地がいいと思うのだ。 好きなレコードをかけて(もらって) 何か飲みながら絵でも描こうか、 という気になってくる。 高校生の頃はロック喫茶や 自宅で毎 […]

ティアドロップス(カズに捧ぐ)

歳をとって困ることは、 リアルに老いていく時間の中で 心は若いころのまんまだってこと。 ふと想ったりするのは、 今の現実が想像の世界だったりして、 昼寝から覚めたら隣りの部屋から わいわいという声がする気がする。 眠たい目をこすりながら起き上がり、 アルコールと草の匂いに煙る 隣の部屋を横切り窓を開 […]

第50怪 お盆終わりの日曜/忘れられない夏

あたまの中で蝉の声がする。 目まいがするような めくるめく夏の景色に 忘れられない想いたちが、 ぷかぷかと浮いているようだ。 僕にとって若い頃の夏の楽しみ方は ゆらゆらと揺れている 蜃気楼のような景色を眺めることだった。 暑い暑いと言いながら華やぐ街で遊び、 海や森に避難して 浮世の垢を捨て去ること […]

第49怪『お盆のちょっと怖い話 3回目』

10年ほど前になるだろうか。 家の階段を上がっていると、 「トシ!」 という声が突然に聞こえた。 数段先を上がっていた妻が 驚いた顔をして振り返る。 「えっ! 冨士夫?!」 そう、冨士夫(山口冨士夫)なのだ。 いや、正確には冨士夫の声なのである。 彼は何処かからコチラを見ているのだろうか? アチラの […]