THE FOOLS

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第16怪『その後のノンちゃん・幸せのはじまり』

正月過ぎからずっと MAKIの部屋に通っている。 MAKIが可愛がっていた 猫のノンちゃんに御飯をあげるためである。 誰も居なくなった部屋に残された MAKIのノンちゃんは、 傷ついて不安そうであった。 だから、おいそれと コチラには近寄っては来ない。 リラックスできないのか、 警戒心いっぱいで様子 […]

第15怪 番外編/山口冨士夫とよもヤバ話『MAKIの思い出』

最近、よく冨士夫の夢をみる。 相変わらずマネージャーとして いろいろな問題に直面しているのだ。 先日などはセブンイレブンから 生配信する予定があり、 やけに暗い店内のカウンターの 奥にいる店長らしき老人に、 「今からここで生LIVE配信をしてもよろしいですか?」 と訊いていた。 セブンイレブンのカウ […]

第14怪『S盤アワー/クリスマス・イブの夜に』

S盤アワーは日本文化放送協会 (文化放送/ラジオ)が、 1952年(昭和27年)4月の開局当時から 1969年(昭和43年)11月までの17年間に渡り 深夜に放送された長寿音楽番組である。 S盤とは、日本ビクターレコード 洋楽S盤レーベルの略称で、 当時発売された洋楽の新譜を 帆足まり子さん(ほあし […]

第13怪『Cold Moon “青ちゃんの命日”』

12月18日は青ちゃんの命日。 と、同時にキースの誕生日でもある。 別に狙ったわけじゃないだろうが、 偲びながら祝う特別な日なのだ。   どちらにしても、 とりあえずは呑もうと思い、 新宿のゴールデン街に向かった。 青ちゃんの相方であるMIHOが、 青ちゃんを偲ぶために 一日だけ店を貸し切るというの […]

第12怪『ジョンの魂』

久しぶりに軽井沢に行って来た。 何十年振りかである。 初めては高校生のとき、 学校帰りにそのまま貸別荘に行ったのだった。 首謀者は誰だったのか覚えていないが、 18歳になり免許を取ったばかりの輩が 学校まで車を乗り付けていて、 3台に分乗して向かったのであった。 確か10人くらいは居たと思う。 高専 […]

第11怪『プライベート・カセットからRenのスタジオ作りまで』

高校生になりたてのころ、 音楽好きだった僕は ティアックのオープンデッキを持っていた。 自慢の4チャンネルである。 最初のころはひとりで 多重録音をして遊んでいたのだが、 すぐにネタがつきてしまい、  宝の持ち腐れになってしまった。 終いには試験前の睡眠学習を思い立ち、 多重録音で教科書を 朗読した […]

第10怪『トビー』

ジョージ秋山が描いた 『浮浪雲』っていう漫画があったけど、 トビーを想うとき、 僕はあの世界を想像する。 別に彼はあんな風に 女ったらしでもなければ、 カッコつけでもないのだが、 なんだか浮世離れしているのだ。 苦い現実を受け入れながらも、 そこに角砂糖を入れて掻き混ぜ、 ひょいと、コチラに向き直る […]

第9怪『伊藤耕の誕生日』

台風明けの土曜日、 カラッとした秋晴れの公園は、 人々のはしゃぎ声で溢れていた。 その合間を自転車で走る。 季節変わりの風を感じて 空に目を向けると、 水分が抜けて変色した葉が、 まるで枝にしがみつくように 頭上で揺れているのが映った。 人生の景色に例えたら、 いまの自分はこんな風かしら? 最近はそ […]

第8怪『秋のウロコ雲 “大人のラジオ” 』

9月に入ったら突然に秋めいてきた。 今みたいな季節の変わり目は、 朝晩がやけに涼しくなり、 寝ぞうのわるい人間は 風邪気味になるというパターンが多い。 つまり、オイラである。 朝起きると喉がかすかに痛かった。 隠したいほどではないが咳もでる。 そんな起き抜けのゾンビを見て、 家族がざわついた。 「あ […]

第7怪『夏の終わり2021』

毎年、夏が始まるときには、 沸き立つような波の景色を想像する。 鳴きはじめた蝉の声にワクワクとし、 思いがけないほどの 陽気な時間に出逢う気がするのだ。 それに比べ、夏の終わりは妙にもの寂しい。 想いもしなかった哀しみを呑み込んで、 静かに波が引いて行くのを眺めたとき、 何もかもが終わっていく気がす […]

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