THE FOOLS

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第27怪『お盆のちょっとこわい話』

お盆なのに台風である。 雷まで鳴っているので複雑な気分だ。 こんな日はだらっとしているのがいい。 こわぁ〜い話でも思い浮かべながら…。 『其の一 首都高速』 若い頃、芝浦に会社があった。 最寄りの駅は田町である。 アルファレコードの裏側にあり、 某広告代理店の制作会社であった。 当たり前のように深夜 […]

第25怪『九州』

所用があり、九州に行って来た。 実に30年振りである。 思い返せば最後に行ったのは TEARDROPSのツアーだったのだ。 あの時は確か、 メンバー3人を前乗りさせ、 体調が不安定だった冨士夫を ギリギリまで調整してから飛び立った。 羽田まで向かうタクシーが🚖 首都高で渋滞に巻き込まれ、 ほとんど最 […]

山口冨士夫とよもヤバ話/番外編 第24怪『よもすえさん』

むかしむかし、 何かあるとすぐに冨士夫は、 「そんなことすると、“よもすえさん” だろ!」 って言っていた。 物事を否定的に捉える時の ただの慣用句として使っていたのである。 もちろん、軽いジャブのようなもので、 笑いながら頭をコツンとやるような感じ、 “あきれちゃうね” と同じ意味合いだと僕は思っ […]

第23怪『ゴールデンウィークにゴールデン街で呑む』

青ちゃんが逝ってから、 早いもので8年が経つという。 冨士夫ときたら、 来年が10周忌なんだとか。 月日が経つのが早すぎて唖然とする。 青ちゃんの愛妻・ミホが ゴールデン街で一日BARをやると言うので、 出向くことにした。 夜の歌舞伎町の風景は、 春風に舞う蝶の群れの如きである。 若者が浮かれ翔んで […]

第22怪『BTS』

日曜の朝っぱらから『BTS』を見た。 ラスベガス公演である。 ウチに居る相方が好きなのだ。 アーミーなのである。 ″アミ″ではない。 それではダイヤモンズの ベーシストになってしまう。 そういえば、 先日、interFM『大人の時間』に 出演した時のアミは立派であった。 アミの声と話はわかりやすくて […]

第21怪『桜吹雪』

桜が咲いた。 青空にゆらりと揺れている。 と思ったら、 あっという間に散ってしまうのだ。 ″さようなら、よい春をお迎えください″ とでも言うように、 春の嵐のような風が吹き、 時には意地悪な雨に打たれ、 つかの間の浮かれ心は終わるのである。 子供の頃は桜の開花に さしたる意識もなかった。 至る所にあ […]

第20怪『サブスク』

2年も前の話になる。 藻の月のレコーディングのとき、 その時点で急遽参加することになったレンに、 「サブスクはどうするんですか?」 と訊かれて、 「やるよ」 と反射神経で答えたのだが、 ″サブスクってなんだっけ?″ と思った。 その時点で、脳内に記憶している 単語ではなかったのである。 (笑ってくだ […]

第19怪『マンホールのクヤ』

クヤと呑むのは楽しい。 弱いくせに飲みたがるからだ。 乾杯をして小1時間もすると調子が良くなる。 「酔っ払ってるんだろ?」 「まだっスよ!そんなことあるはずないじゃないですか!」 そう言いながら小突いてくる。 明らかに酔っているのだ。 ソーシャルディスタンスも へったくれもあったもんじゃない。 でか […]

第18怪『花はどこへ行った』

ついに3月になった。 だんだんと暖かくなってくる。 枯れ木にも春芽が出ているのがわかる。 小さく縮こまった想いが、 大きく伸びをする季節なのだろう。 だけど、いつもなら ウキウキする季節の変わり目が、 なんだかモヤモヤとしている。 世界中が酷い仕打ちにあって、 やっとのことで支えあっているこの時間に […]

第17怪『その後のオイラ・オミクロン』

朝早くから電話が鳴った。  「…あんだよ!」 なんてぼやいたかどうかは覚えてないが、 ファックス兼用の受話器をとる。 「kasuyaさんですか?」 「はい」 「アナタのクリニックです。結果から言うと陽性です。熱はありますか?」 「……あっ、ないです」  「どんな様子ですか」 まだ夢の続きをみているよ […]

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