2022年

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第31怪『親父の命日』

実に私ごとなのだが 今年も親父の命日が近づいている。 毎年、この季節になると思い出すのだ。 親父が逝ったその年は 色々な意味で人生の分岐点だったので、 今でも印象深く残っているのかもしれない。 余命二ヶ月と告げられた親父の時間は、 10月の時点で半年近く延長されていた。 僕は毎日親父の病室に通ってい […]

 第30怪『フールズ/フリーダム』

すっかりと秋めいた気分になると、 何かが終わるような 妙なざわめきが浮かんでくる。 真夏の猛暑の景色では、 汗だくになって蠢いている自分がいた。 まるで目の前しか見えていないかのように 夢中になって身体と心を動かしているのだ。 初めてフールズを見たのは そんな季節の真っ只中だった。 空はとても蒼くて […]

第29怪『夜の海』

若い頃は何かと夜の海に行った。 北鎌倉に住んでいた頃の話である。 チャリンコでギコギコと由比ヶ浜まで行き、 浜辺に座って暗い波間を眺めるのだ。 暗闇に目が慣れてくると、 黒から青からグレーまで、 実にさまざまな暗さが見えてくる。 風の心地良さも相まって 暗い世界から明るい未来を 想像するように、 じ […]

第28怪『残暑お見舞い』

サミー前田から写真が届いた。 『シーナ&ロケッツ』にゲスト参加 したころの冨士夫が写っている。 場所は日比谷の野音、 ’86年の内田裕也さん主催の イベントでのワンショットなのだ。 この頃の冨士夫はまだ30代後半である。 (さすがに若い) ’86年の6月といえば、 […]

第27怪『お盆のちょっとこわい話』

お盆なのに台風である。 雷まで鳴っているので複雑な気分だ。 こんな日はだらっとしているのがいい。 こわぁ〜い話でも思い浮かべながら…。 『其の一 首都高速』 若い頃、芝浦に会社があった。 最寄りの駅は田町である。 アルファレコードの裏側にあり、 某広告代理店の制作会社であった。 当たり前のように深夜 […]

第26怪『暑い夏/冨士夫の誕生日』

夏真っ盛りである。 あきれるほどの暑さなのだ。 うだるような蝉の声からは ″あツィ〜 ツィ〜″ と聞こえてくるよーな気がする。 たまらず高円寺のサブストアに逃げ込んだら、 ジョージと仲の良いHが 澄まし顔でたたずんでいた。 この2人はほんとうに仲が良いのだ。 もうずうっと前からの付き合いであるらしい […]

第25怪『九州』

所用があり、九州に行って来た。 実に30年振りである。 思い返せば最後に行ったのは TEARDROPSのツアーだったのだ。 あの時は確か、 メンバー3人を前乗りさせ、 体調が不安定だった冨士夫を ギリギリまで調整してから飛び立った。 羽田まで向かうタクシーが🚖 首都高で渋滞に巻き込まれ、 ほとんど最 […]

山口冨士夫とよもヤバ話/番外編 第24怪『よもすえさん』

むかしむかし、 何かあるとすぐに冨士夫は、 「そんなことすると、“よもすえさん” だろ!」 って言っていた。 物事を否定的に捉える時の ただの慣用句として使っていたのである。 もちろん、軽いジャブのようなもので、 笑いながら頭をコツンとやるような感じ、 “あきれちゃうね” と同じ意味合いだと僕は思っ […]

第23怪『ゴールデンウィークにゴールデン街で呑む』

青ちゃんが逝ってから、 早いもので8年が経つという。 冨士夫ときたら、 来年が10周忌なんだとか。 月日が経つのが早すぎて唖然とする。 青ちゃんの愛妻・ミホが ゴールデン街で一日BARをやると言うので、 出向くことにした。 夜の歌舞伎町の風景は、 春風に舞う蝶の群れの如きである。 若者が浮かれ翔んで […]

第22怪『BTS』

日曜の朝っぱらから『BTS』を見た。 ラスベガス公演である。 ウチに居る相方が好きなのだ。 アーミーなのである。 ″アミ″ではない。 それではダイヤモンズの ベーシストになってしまう。 そういえば、 先日、interFM『大人の時間』に 出演した時のアミは立派であった。 アミの声と話はわかりやすくて […]