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第48怪/山口冨士夫とよもヤバ話/番外編『妹尾隆一郎さんと一夜限りの共演』

「トシ!宝くじで10万円当たったから早く来いよ!」 という突然の連絡を冨士夫からもらった。 金も返すが旨いもんでも食おうと言うのだ。 僕は文字通り小躍りしながら 冨士夫の家に飛んで行った。 あれは何十年前の春だったのだろうか? 景色が変わり、 “ここから何もかも変えていこう” という思いが溢れる季節 […]

第45怪『秋空に想う』

仕事場からは空が見える。 流れいく雲の景色と、 ゆったりとした空間が気に入っている。 こどものころから空が好きで ずっと見上げていた。 怠け者だったので 寝転んでばかりだったのかも知れない。 小さなころは仰向けになって 天井のシミで妄想をしていたら、 「大きなゴミがある」 とか言われて お袋にホウキ […]

第44怪 吉田さんパワー

思えば吉田さんが現れてからだと思う。 冨士夫のパワーが戻ったのは。 足首が象のように腫れ、 「これは水が溜まっているのだよ」 と訳知り顔で誤診した 某病院のドクターに見切りをつけ、 日の出町のつるつる温泉の近くにある、 ガンさん(クロコダイルのオーナー)のコテージで 冨士夫は療養をしていた。 そこに […]

第43怪 お盆のちょっとこわいはなし

エクトプラズムを見たのは中2の時、 14歳の夏休みに行った従兄弟の部屋だった。 最初は煙草の煙かと思ったんだ。 モヤァっとした煙が 顔面1メートルくらいの空中に現れ、 ふわふわと漂っていた。 でもおかしい、 煙草なんか誰も吸わないし、 ぼくは不良にはなりたがったが まだ、煙草は吸いたくなかった。 身 […]

第42怪『親父の夏』

夏になると親父を思い出す。 白いランニングを着て、 ステテコを履いて近所を出歩いていた。 いま、そんな格好でフラフラしていたら、 即、セクハラ職質である。 しかし、当時のおっさんたちの夏は、 上半身が裸であった。 暑くて家に中にいられないので、 玄関脇の縁台にでも座り、 うちわでパタパタと突き出た腹 […]

第41怪『ジョージのバースデー』

某出版社の noteに ジョージのことを書き始めた。 それで気づいたんだけど、 実はジョージのことを あまりよく知らないのだ。 『ウイスキーズ』からの付き合いだから、 記憶の中に30歳そこそこの自分が思い浮かぶ。 その横でやたらと背の高い ハンサムボーイがはにかんでいる。 照れ隠しなのか、 ブラック […]

第38怪『鮎川誠さんを偲ぶ』

クルマで渋谷に行くときに 井の頭通りを選択すると、 必然的に代田橋の駅前を通る。 もう何百回も通過した風景だが、 実際に駅に降り立つのは初めてだった。 駅からの階段を上がると Goodlovinのコイワイくんが 二日酔い顔でたたずんでいた。 「大丈夫か?今日は朝まで呑んでたんだろ?!」 捨てられた犬 […]

第37怪『ドッペルゲンガー』

20年以上も前になるだろうか、 僕は友人と出版社を作った。 友人は編集会社を経営していて、 僕はデザイン事務所をやっていたので、 合体して出版社をやれば 作りたい本を自由に出せると思ったのだ。 ところが、 遥か沖には″出版不況″という 大きな津波が顔を覗かしていた。 そんなことは気にもせず、 僕らは […]

第36怪『Magical Lizzy Band』

カノンのカウベルを持って地球屋に出向いた。 カノンが去年のイブに ShowBoatに忘れて行ったからである。 カウベルといえば、 高一のとき、母親の勤めていた 某都立高校の文化祭を見に行った際、 体育館のステージに ストーンズ風の学生バンドが 現れた時のことを思い出す。 カウベルのリズムと共に ″ホ […]

第34怪『Good Times Bad Times』

新年も2週目となると 今年は何をしようかと考え始める。 毎年考えるのだが、 4週目には全て忘れている事が多い。 (ボケジジイか!?) 若い頃は夢と希望に見栄が重なり、 けっこうな目標を設定したりするのだが、 人生もベテランになってくると、 まずは健康であることに感謝したりして ついつい刹那的に喜んで […]